Column
子供の歯並びは親が8割決めている
2026.07.02
こんにちは。岐阜県大垣市のあだち歯科医院です。
今回は「子供の歯並びは親が8割決めている」についてお話していきます。
私も3人の子供がいる父親です。自分自身にも言い聞かせながらこの内容を推敲しました。
将来のお子さんのため、参考の1つにしていただけると幸いです。
「歯並びは遺伝って本当?」
「歯並びは親に似るから仕方がない」「遺伝だからどうにもならない」。そんな話を耳にしたことはありませんか。
確かに、顎の大きさや歯の形、骨格など、生まれ持った体質には遺伝の影響があります。
しかし近年では、子どもの歯並びは遺伝だけではなく、幼少期の生活習慣や成長環境が大きく関わっていることが明らかになってきました。
私たちが「子どもの歯並びは親が8割決めている」とお伝えするのは、決して親を責めるためではありません。
親が作る生活環境や毎日の習慣が、お子さんの顎やお口の成長に大きな影響を与えるという意味です。
つまり、保護者の関わり方次第で、将来の歯並びをより良い方向へ導ける可能性があるということです。

「歯並びは毎日の習慣で育つ」
歯並びは、単に「歯がきれいに並ぶかどうか」の問題ではありません。
歯が並ぶためには十分な顎の大きさが必要です。そして、その顎は毎日の「食べる」「呼吸する」「飲み込む」「話す」といった何気ない動作の積み重ねによって成長していきます。
例えば、最近非常に増えているのが「お口ぽかん」と呼ばれる状態です。普段から口が開いているお子さんは、口呼吸になっていることが少なくありません。
本来、舌は上あごに軽く触れているのが正常な位置ですが、口呼吸では舌が低い位置に下がりやすくなります。
すると、上あごが十分に横へ成長できず、永久歯が並ぶスペースが不足してしまうことがあります。
その結果、歯が重なって出てきたり、出っ歯や受け口などの原因になることもあります。

恥ずかしながら、私の場合3人の子供のうち下2人は夜中スムーズに寝てもらうために、おしゃぶりを使わせておりました。
するとどうでしょう、妻が見てもわかるほど歯並びが悪くなっていったではありませんか!妻から「これ・・・大丈夫?」って言われましたが、私としては「もちろん大丈夫ではない・・・」と答えざるを得ません。
おしゃぶりの代わりとなるような矯正専門の装置を探して買って使わせました。2人は「これおしゃぶりかなぁ?」という顔をしながらしばらく使ってくれましたが、使い方がどうしてもうまく伝わらず(当時3歳)、途中で装置を食いちぎったりしたので、中断しました。
ただ、一定期間使わせていたので、歯並びは元の状態に戻りました(すごいっ!)。
また、食生活も重要です。現代は柔らかい食べ物が多く、昔に比べて噛む回数が減っていると言われています。
噛むことは単なる食事ではなく、顎の骨や周囲の筋肉への刺激になります。
しっかり噛む機会が少ないと、顎の発育が十分に進まず、歯が並ぶスペースが狭くなる一因になる可能性があります。
さらに、指しゃぶりや爪噛み、唇を噛む癖、頬杖、うつ伏せ寝など、一見すると小さな癖も長期間続けば歯並びや噛み合わせに影響を及ぼすことがあります。
もちろん、一度や二度で問題になるわけではありません。しかし、毎日何時間も続く習慣は、成長期のお子さんにとって決して無視できない要素です。
「親だからできる歯並びのサポート」
では、保護者が今日からできることは何でしょうか。
特別なことは何も必要はありません。まずは、お子さんが普段から口を閉じて鼻で呼吸できているかを観察してみましょう。
食事では、よく噛む習慣を身につけられるよう、適度な歯ごたえのある食材を取り入れることも有効です。
また、テレビや勉強をするときの姿勢や、寝るときの姿勢にも気を配ってみてください。
そして何より大切なのは、「歯が生えそろってから考える」のではなく、「顎が育つ時期」に目を向けることです。
特に6歳頃から10歳頃までは、乳歯と永久歯が混在し、顎が大きく成長する重要な時期です。
この時期に生活習慣を整え、必要であれば歯科医院で成長を見守りつつ顎を拡大させる治療を行ったりすることで、将来の矯正治療が不要になったり、治療が軽く済んだりするケースもあります。
もちろん、すべての歯並びが生活習慣だけで決まるわけではありません。
骨格的な要因や先天的な問題など、専門的な矯正治療が必要なお子さんもいます。
しかし、そのような場合でも、口呼吸や舌の位置、食べ方などの習慣を改善することは、治療をより良い結果へ導くために欠かせません。

「歯並びは治すより育てる時代へ」
大垣市のあだち歯科医院は、「歯が並んでから治す」より、「きれいに並ぶ環境を育てる」ことが大切な役割だと考えています。
虫歯や歯周病を予防するために定期健診へ通うように、歯並びも「予防する」という考え方がこれからますます重要になるでしょう。
「子どもの歯並びは親が8割決めている」という言葉は、決してプレッシャーを与えるためのものではありません。親御さんには、お子さんの未来を良い方向へ変えられる力があります。毎日の食事、呼吸、姿勢、そして何気ない生活習慣。その小さな積み重ねが、10年後、20年後のお子さんの健康と笑顔につながります。
もし「うちの子は大丈夫かな」と少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。今からでもできることがあるかも知れません。
私の子供も、特に上の子は歯並びがやはり悪く(この辺も親に似ている)、小学生の間での対策が重要です。すでに治療を始めています。なぜなら将来かかる費用と、本人に対する心理的負担が目に見えてわかるからです。過去に私も矯正治療を行いました。高校生と大学生と行い、時間と費用を大きくかけてもらいました。今になれば小学生のうちにやれることがあったのではないかと思ってしまうほどです。
歯並びは歯が生えてからではなく、成長している今だからこそできることがあります。その一歩が、お子さんへの大きな贈り物になるかもしれません。

