Column
歯を失う人は40代から急激に増える
2026.07.30
こんにちは!大垣市のあだち歯科医院です。
今回は「歯を失う人は40代から急激に増える」という衝撃な内容についてお話ししていきます。
「歯を失うのは高齢になってから」と思われている方は少なくありません。しかし実際には、歯を失う人が目立って増え始めるのは40代頃からです。
もちろん40代だからすぐに歯が抜けるわけではありません。ですが、この年代はお口の環境が少しずつ変化し、それまで積み重ねてきた生活習慣の影響が表れ始める時期でもあります。

<歯を失う原因は「虫歯」だけではない>
子どもの頃は「虫歯にならないように」と言われて育った方が多いと思います。
しかし、大人になってから歯を失う最大の原因は、実は虫歯ではなく歯周病です。
歯周病は歯を支えている骨や歯茎が少しずつ壊されていく病気です。初期にはほとんど痛みがなく、自覚症状が少ないため、「気付いた時にはかなり進行していた」というケースも珍しくありません。
さらに、過去に治療した歯は詰め物や被せ物の周囲から再び虫歯になることもあります。歯は治療を繰り返すほど削る量が増え、最終的に治療した歯が破折し、抜歯やむを得ない状態になることもあります。
つまり、年齢とともに「虫歯」と「歯周病」の両方のリスクが高まり、歯を失う可能性が少しずつ大きくなっていくのです。
その根拠として興味深いデータが厚生労働省の歯科疾患実態調査において示されています。
厚生労働省の一部のデータを集計し、30歳から50歳まで5年ごとに平均喪失歯数を割り出し、グラフにしております。40歳を超えたところから急激に本数が増えています。縦軸を見ると本数は少なく見えると思いますが、比較的若い段階でのこの数値は油断できない結果です。

当院での結果も気になったので集計しました。細かい数値は省きますが、40代前半は歯を失う人は多くはありませんでしたが、46~49歳頃から失い始める結果となり、厚生労働省の集計と類似するところがありました。
<40代はお口の変化が現れやすい時期>
40代になると、仕事や家庭が忙しくなり、自分の健康を後回しにしてしまう方も少なくありません。
むしろ一昔前はそれが当たり前でした。
これは院長がよく話しておりましたが、バブルの頃はいかに長く働くかが収入に直結していたため(いわゆる企業戦士)、本当に耐えられない痛みにならないと来院しないという人も多かったそうです。
疲れやストレス、睡眠不足、喫煙、糖尿病などの生活習慣は歯周病を悪化させる要因になります。
また、歯ぎしりや食いしばりが強くなることで歯や歯を支える組織に負担がかかることもあります。
これらの症状が出るのは40歳以降からが多く、早い方は30代中ごろから出始めるかたもみえます。
こうした要素が重なることで、お口の中では少しずつ変化が進みます。
歯茎から血が出る
口臭が気になる
食べ物が挟まりやすくなった
歯が長く見える気がする
このような症状は、年齢のせいではなく歯周病のサインである可能性があります。
痛みがないからと放置せず、一度お口の状態を確認することが大切です。

<歯を守るために大切なのは「予防」と「継続」>
歯周病や虫歯は、早い段階で見つけることができれば進行を抑えられる病気です。
毎日の歯磨きはもちろんですが、それだけでは落としきれない汚れもあります。
そのため、歯科医院で定期的なクリーニングや歯周病のチェックを受けることが、歯を長く守るためには欠かせません。
また、ご自身のお口の状態に合わせた歯ブラシの使い方や、歯間ブラシ・フロスなどの補助清掃器具を取り入れることも非常に有効です。
「悪くなったら治療する」から、「悪くなる前に防ぐ」へ。
この考え方が、将来残せる歯の本数に大きく影響します。

<10年後、20年後の自分のために>
歯を失うことは、食事のしにくさだけでなく、会話や見た目、さらには全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。もちろんすぐには起こりません。
40代は、お口の健康を見直す絶好のタイミングです。
今は特に困っていなくても、一度しっかり検査を受け、ご自身のお口の状態を知ることから始めてみませんか。
この機会に自分の歯が何本存在するのか、数値で知っておくと意識しやすいかもしれません。
自分の歯が何本あるのか、正しく言えますか?
毎日の小さな積み重ねが、10年後、20年後も自分の歯でおいしく食べ、笑顔で過ごせる未来につながるはずです。
執筆者
あだち歯科医院 副院長 足立 圭亮
2014年明海大学歯学部 卒業
2019年朝日大学大学院歯学研究科 卒業 博士号(歯学)取得
2022年医療法人社団明星会 河出歯科医院勤務 (6月まで)
2022年あだち歯科医院 副院長(現在に至る)
